ここまで遠距離介護について書いてきましたが、今回が一応の最終回(?)になります。
父はその後どうなったかといいますと、がんの手術は成功したものの、やはり一人暮らしは無理なので、退院後は病院に近い有料老人ホームへ入所しました。
このホームが家から遠い上に、費用もかさむので、何とかしたいと思っていたのですが、そこでまたケアマネージャーが奮闘してくれ、ほどなく母と同じ介護老人保健施設への入所がかないました。
ここでも、介護事業にかかわる身としては、東京だったらこんなにうまくいっただろうか…と思わずにはいられませんでした。
田舎の濃密な人間関係は、一方では排他的とも言えますが、親しい間ではどこまでも親切。とにかく皆がよってたかって心配してくれ、何とかしてあげようとひたすら尽力してくれるのです。
今、私は家からスマホで実家の家電を動かし、たまに帰省して両親に会いに行く、という落ち着いた生活になっています。
公的なサービスの枠を越えた「おせっかい」に、何度も救われた遠距離介護でしたから、近所の方にもケアマネやヘルパーさんにも、どれだけ感謝してもしきれません。
そしてわが身を振り返ると、都会の介護事業者としてはやはりできることとできないことがあるものの、気持ちだけは「おせっかい力」を忘れないようにしようと思っています。
両親を支えてくれた地域の方たちに感謝を込めて。