遠距離介護体験記 その3 老々介護の崩壊

前回書いたように、父が夜中に救急車を呼んで病院に運ばれてしまいました。老々介護の崩壊です。

母はひとりで生活することはできません。父が救急車に乗ったとき、夜中だというのにケアマネージャーが駆けつけてくれました。ここでも、介護事業者としては業務の逸脱だな…と思ってしまうのですが、公的サービスも地域の助け合いも混然一体という、田舎ならではの習慣に助けられる形になってしまいました。

父はただの腰痛ではなく、がんの転移だったことが判明しました。それを知ったケアマネの尽力で、母はすぐに緊急ショートステイに入所することができました。

このまま父が手術を受けて回復すればまた元通りになると思っていたら、手術は受けたくないとごねはじめ、また壁にぶつかってしまいます。自分だけでは説得できなかったので妹に来てもらいました。援軍を得て父もようやく手術を承諾してくれました。

これで何とかなるかも…と思った矢先、父は急性腎不全を併発し、がんの手術よりそちらの治療を優先することに。父の入院も長期戦になり、もう老々介護に戻るなど望めない状況となりました。

一難去ってまた一難の遠距離介護。続きはまた次号で!